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アクティビティ選びで失敗しないための7つのポイント

世の中に数多あるアウトドアアクティビティ、そしてアクティビティ事業者。たくさんありすぎるし、料金もそれぞれ。選ぶのに迷っちゃいますよね。
「ここなら間違いない!」という事業者もいれば、残念ながら「ここは金儲けしか考えてないよね」という事業者もいるのが実際のところです。

アウトドアアクティビティは、100%の安全が保証されない自然環境において行われます。
それをできる限り100%に近づけるために、アクティビティ事業者は参加者に事前に知っておいてほしい情報を必ず公開しています。
ご自身はもちろん、一緒に参加する家族や仲間の安全を守るためにも、参加申し込みをする前に隅々まで確認しましょう。

そこで、アクティビティを選ぶ際に絶対にチェックしておきたい7つのポイントを、プロのガイド目線でお教えいたします。

1.「参加条件」をチェック!

大前提となるのが「参加条件を満たしているか」です。
通常、アクティビティ事業者は、そのアクティビティのコースや難易度、体験時間に見合った参加条件を設けています。(逆に言えば、対象を決めて、コースや難易度、体験時間などを構成しています。)

避けたいのは、自然解説系(自然散策やスノーシューなど)で大人も子供も関係なく募集しているもの。(ただし、親子が対象の場合を除く)
まず、大人と子供では興味を持つものが違います。良心的なガイドさんなら、子供がいるときは子供でも楽しめる(子供のレベルに合わせた)内容にするため、大人にとっては参加費を払って退屈な時間を過ごすことになりがちです。

逆に、親子で参加する場合は、親がやらせたいことと子供がやりたいことにかなり乖離があるケースが非常に多いです。
よくある例が、冬のスノーシュー体験。「すばらしい雪景色を見せたい」親の思惑とは違い、子供は雪遊びに夢中で目的地にたどり着けないというもの。

親がやらせたいことで決めるのではなく、元々子供が対象のものや親子で楽しめるものを選ぶのが無難です。
ガイドさんが、現場でお子さんのを興味を酌み取りながら臨機応変に対応してくれるようなアクティビティならベストですね。

2.「体験時間」をチェック!

勘違いしやすいのが「体験時間」の長さです。実は、単純に長ければお得というものではありません。
体験時間が長く設定されているように見えて、実はガイドさんが付くのは半分くらいで、あとは自由時間で誤魔化しているようなアクティビティ(要するに「放置」ですね)もあるそうですので、内容と併せてよく確認しましょう。

大切なのは、参加するメンバー(本人、家族、友人など)の年齢や体力、運動能力、経験と体験時間がマッチしているかどうかです。
マッチしていないと、小さいお子さんの場合は飽きて愚図ったり、ご高齢の方の場合は体力面やトイレの問題が生じます。若い方でも女性にはしんどい、ということもあるようです。

個人向けのアクティビティの場合、カヌーなら大人でも2時間(幼児なら1〜1.5時間)程度まで、自然散策やスノーシューなどの自然解説系のアクティビティなら2.5時間(幼児なら1〜1.5時間)程度までが初心者にも無理のない時間設定です。

よりよい思い出にするために、何事も腹八分目が大事。参加するメンバー(本人、家族、友人など)の年齢や体力、経験に合った時間設定なのかを見極めましょう。

3.「ガイドレシオ」が明記されているかをチェック!

ガイドレシオとは、ガイド1名でどれだけの参加者を案内するかということを表す「比」です。
ガイド1名で参加者10名を案内するなら「1:10」ということになります。この数が少なければ少ないほどよりプライベート感のあるアクティビティであり、多ければ多いほど大名行列のようなアクティビティであると言えます。

例えば、初めてカヌーを体験する30名(15艇)の参加者を、1名のガイドが案内している場面を想像してみてください。初めて体験する参加者全員が、スムーズにまとまって進むということはまずありえません。

果たして広い湖上で全員に注意喚起の声が届くでしょうか?
うまく進むことのできない参加者もサポートしながら、全員を満足させる案内ができるでしょうか?
危急時に迅速に対応することができるでしょうか?

100%の安全が保証されない自然環境において行われるアウトドアアクティビティにおいて、ガイドが参加者全員をケアするためには、このガイドレシオを安全に配慮した現実的な数に設定することが重要となります。
個人向けのアクティビティの場合、カヌーなら1:8(艇)程度まで、登山なら1:8〜12程度(ルートの難易度による)が現実的でしょうか。

もし、ガイドレシオが明記されていなかったり、記載されているガイドレシオが異常に多かったりしたら、そのアクティビティ事業者は避けることをおすすめいたします。
特に、「ガイドレシオの記載なし×定員が多い」の組み合わせは絶対にNGです。また、掲載されている実際のアクティビティの写真を見て、やたらと人数が多い場合も注意が必要です。

ただし、参加してみたら記載されているガイドレシオと大幅に異なる、というような悪質な事業者も実際に存在するようですのでご注意ください。

4.スタッフの紹介があるかどうかをチェック!

実はこれが結構重要です。
あなたが体験したいアクティビティをどんなガイド(インストラクター)が担当するのかをあらかじめ知っておくことは、100%の安全が保証されない自然環境においては安心感につながります。
所持している資格や顔写真なども確認しておきましょう。

スタッフ紹介がない事業者は、知識や技術のないアルバイト従業員に任せている可能性や、スタッフが根付かない理由があると考え、避けるのが賢明です。
中には、実際には担当していない有資格者の名前だけを借りている悪質な事業者(貸している側の資質も問われますが…)も存在しているようですのでご注意ください。

5.資格を持っているかをチェック!

海外の登山ガイド資格のように、資格を持っていないとガイド活動ができない、という法的な縛りが残念ながら存在しない日本。
国内各地の観光地には、初心者よりは少し経験がある程度の“自称ガイド”や“自称インストラクター”が溢れており、日本人は何も知らずにそんな人たちにお金を払っているのが現実です。

「法律に違反しているわけではない」がそういった事業者の言い分です。
参加者からお金をもらって案内するプロのガイド(インストラクター)として、そのアクティビティの知識、技術、経験を有しているのは当たり前のことです。そういった社会的倫理が存在しないアクティビティ事業者が多いのは非常に残念なことです。

例えば、カヌーやカヤックなら「日本カヌー連盟」(JRCAとJSCAという2つの下部組織があります)、登山に関するものであれば「日本山岳ガイド協会」や「日本山岳・スポーツクライミング協会」などのガイドや指導員の認定組織があります。
実際に現場で資格証やスクール証を確認させてもらってもいいかもしれません。

資格を持っているから優秀なガイド(インストラクター)であるとは言えませんが、少なくともお金を払うべき信頼に値するアクティビティ(またはガイド、事業者)かどうかを判断する目安にはなります。
ただし、講習を受ければ試験もなく誰でも取得できてしまうような資格も世の中には多数存在するのでご注意ください。

もうひとつ、必ずチェックしておきたい資格があります。ファーストエイド(危急時対応)資格です。
100%の安全が保証されない自然環境において行われるアウトドアアクティビティでは、ケガをしたり病気になる可能性はゼロではありません。

ガイドやインストラクターは、ケガや病気の応急手当について当たり前に学んでいます。
もし、ファーストエイド資格を持っていないまたは資格名を明示していないガイド(インストラクター)や事業者ならば、安全管理意識が低いと判断し避けるのが賢明です。

ファーストエイド資格は、日本赤十字社の「救急法救急員」、WMAJの「WFAベーシックレベル」や「WAFAアドベンスレベル」、WFAの「ベーシックプラス」などがあります。
注意したいのは消防の「普通救命講習」。講習内容にケガの手当がないため、評価に値しません。

6.「○○付き」に惑わされない!

ガイドが食事をもてなすようなアクティビティ、よくありますよね。例えば、「△△△体験(ランチ付き!)」のようなものです。
「お、お得じゃん」と思ったあなた、ちょっと待ってください。実は、それができるのは飲食店の営業許可を受けている事業者のみなんです。

観光スポットを転々と車で移動するようなアクティビティであれば道路運送業の許可が、宿泊費が含まれるアクティビティであれば旅行業の許可が必要となります。

また、そういった法令に関するもの以外に、その地域ならではのルールなんかも存在します。
ちなみに、ここ裏磐梯では湖沼の水温が低いことや過去にあった事故の経緯などから「湖沼での遊泳禁止」という地域ルールがあるため、良識のある事業者は遊泳を前提としたアクティビティを自粛しています。

もし、各営業許可に関する記載がなかったり、その地域のルールを無視したアクティビティを展開しているような場合は、その事業者は避けるのが賢明です。
まあ、地域ルールはその地域でしか浸透していないことが多く、一般的に知られていないのが難しいところなんですが…。

○○付きに惑わされて、「お得だから」や「便利だから」という理由でアクティビティを選ぶと、実は違法業者の金儲けを手伝っている可能性があるという恐ろしい話。ご注意ください。
逆に言うと、良質なアクティビティほどある意味純粋で不便、ということが言えるのかもしれません。

7.上記6つを踏まえた上で、料金をチェック!

オンラインショッピングサイトに流通する商品と同様のことが、アクティビティでも言えます。
「安かろう悪かろう」はもちろんのこと、残念ながら「高かろう悪かろう」というものも存在します。

価値に見合った料金のアクティビティを選ぶために、上記1〜6をしっかりチェックした上で料金を比較しましょう。
単純な金額の違いだけではない、そのアクティビティ本来の価値がきっと見えてくることでしょう。

さて、プロのガイド目線で見た「アクティビティ選びで失敗しない7つのポイント」、いかがでしたでしょうか。
ぜひご参考いただいて、すばらしきアウトドアライフをお過ごしください。

このコラムを書いた人

りょう(渡邊 亮)

りょう(渡邊 亮)

「ならぬことはならぬものです」・・・会津が生んだサムライガイド。登山だけでなくバックカントリー、キャニオニング、カヤックなども担当するマルチプレイヤー。東北山岳ガイド協会所属。福島県出身。裏磐梯在住。

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